客室清掃の良さは、きれいに仕上がったときの達成感です。ひとりで１部屋ごと、きれいにしていくので、自分のがんばりがひと目でわかります。毎日同じことの繰り返しのように思われがちですが、実際には違います。1部屋1部屋、基準に沿って仕上げていくことに加え、時間配分やその日の体調を考慮し、段取りよく進めています。
　この仕事に就いた最初の頃は、清掃箇所の抜けや、備品補充の漏れがないようにするだけで精一杯でした。しかし、1年経った頃に「これからご宿泊されるお客様」を想像するようになりました。お客様がドアを開ける瞬間に「きれいだ」と思ってもらえるのが楽しみです。時々、サンクスカード（お礼状）をお部屋に残してくださるお客様もいらっしゃいます。直筆のお礼を頂戴できるのも、この仕事をしていて嬉しい瞬間です。

　この仕事は自分に合っていると思います。1人でもくもくと集中して自分のペースで働けるからです。学生時代から接客関係が苦手な私にとってピッタリの仕事だから、１０年以上続けています。
　１人で作業を進めるため、今でも時々、作業中に確認したいことや、わからないことがあります。そんなときはドアを開けて他のスタッフにすぐ聞きにいきます。自分のペースで進めながらも、困ったときはすぐにヘルプを呼べる・・・とても働きやすい職場です。
　清掃が終わるときに最後の点検を兼ねて部屋全体を見回すと「きれいにできた」満足感を感じます。最初は「習ったとおりにやるだけ」「慌てずやるだけ」だったので、成長できているんでしょう。