#07-1【インタビュー】清掃の仕事ってきつい?客室清掃スタッフが語るリアルー客室清掃歴8年スタッフ

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「清掃の仕事って大変そう…」「きついって聞いたけど本当?」
そんなイメージから、一歩を踏み出すのをためらっている方もいるかもしれません。

今回は、ホテルの客室清掃を未経験から始め、約8年間働いているA.T.さんにインタビュー。
前編では、実際に働いてみて「大変だったこと」「慣れるまでどのくらいかかったか」など、リアルに語っていただきます!

後編では「この仕事の面白さ」「やりがいを感じた瞬間」もご紹介しますので、ぜひそちらも合わせてご覧ください!

未経験からのスタート。きっかけは「黙々とできる仕事がしたい」

――清掃の仕事を始められたきっかけを教えていただけますか?

もともと「一人で黙々とできる仕事がしたい」という思いがあったんです。求人を見ていて、ホテルの客室清掃が自分の希望にマッチするのではないかと思い、応募したのが始まりです。

――客室清掃のお仕事は初めてだったんですね。

はい。掃除が得意というタイプでもなかったですし、まったくの未経験でした。でも、「まずはやってみよう!」という気持ちで飛び込んだので、不安はそんなになかったですね。いい意味で気楽に始めました(笑)。

◆ここがきつかった・大変だった…!客室清掃のリアル

――実際に働き始めてみて、「これは想像以上に大変だった…」と感じたことはありますか?

まずは「客室の汚れ具合の違い」に驚きましたね。

とてもきれいに使われているお部屋もあれば、すごくゴミが散らかっていたり、思わず息をのむような状態のお部屋もあったり…。

大変な状態になっている客室のドアを開けた瞬間は、今でもびっくりしてしまうことがあります。

――たしかに…気持ちの切り替えが大事ですよね。大変なお部屋はよくあるんですか?

びっくりするほどのお部屋は頻繁にあるわけではないんですが、たまにあるからこそ、強く印象に残っているんですよね。

――作業自体で「きついな」と思うこともありますか?

ベッドメイキングでしょうか。軽々とやっているように見えますが、大きなベッドを動かして作業しなければならないので、意外と力がいるんです。

新人さんの中には、「けっこう力仕事ですね!」と驚かれる方も少なくないんですよ。

――確かに、イメージと違うこともあるかもしれませんね。

はい。それにベッドメイキングって、最初はシワがあったらやり直しになりますし、キレイにできなくて時間もかかって。

でも慣れてくると身体が動きを覚えてきて、サッサッとテンポよくできるようになるんです。

――身体が動きを覚えるまでは「きつい」と感じやすいのかもしれませんね。

そうですね。どんな仕事もそうですが、慣れるまでが一番大変かもしれないです。

◆体を労わる工夫も大切。身体への負担を減らすために意識していること

――ベッドメイキング以外に大変な作業は?

ユニットバスの清掃もけっこう大変です。しゃがんで作業することが多いので、腰や膝が疲れやすいですし、湿気もあって暑いので、人によっては「きついな…」と感じやすいと思います。

――作業をするときに何か工夫をしていますか?

なるべく中腰にならずに、膝を曲げて足で重心を下げるようにしています。腰から曲げると負担が腰に集中してしまうので。

――体の使い方にもコツがあるんですね。

そうなんです。長く続けていくためにも、自分に合った「負担を軽減するやり方」を見つけることが大事だと思います。
他のスタッフのみなさんも、それぞれ工夫されていますね。

◆季節によっても「きつさ」は変わる?

――時期によって、しんどさは変わりますか?

個人差があると思いますが、私は冬より夏の方が疲れを感じやすいです。

作業中は冷房が入っていても汗をかくので、体力の消耗が激しい気がします。水分をこまめに取ったり、冷たいタオルを巻いたりして工夫しています。

――虫も気になる季節ですよね。

そうですね。夏は虫が客室の中に入ってきやすい時期なので、点検のときに虫がいないかもしっかりチェックする必要があります。

◆続けるうちに「身体を労わるやり方」を意識するようになりました

――働き始めてから、いつごろ「慣れたな」と感じましたか?

作業を覚えること自体は早かったと思います。でも、確実に心も体も「慣れてきたな」と実感し始めたのは、ひと通りの季節や業務を経験し、1年くらい経ったころでしょうか。

――最初は大変でも、慣れれば少しラクになるものですか?

はい。ベッドメイキングなんかは、回数を重ねるうちにどんどん慣れて、時間をかけずにキレイにシーツを張れるようになりました。今では一番好きな作業です(笑)。

あと、私の場合、最初の頃は無我夢中で動いていたので「大変だな」ってあまり感じてなかったかもしれません。

――たしかに、最初は気合でいけちゃうこともありますもんね。

そうなんです。でも続けていくうちに、「このやり方だと体に負担がかかっているかも…」って思うようになって。それから体を労わるやり方を意識するようになりました。

――長く働くには、そういう無理しない工夫が大事ですね。

はい。体力のペース配分とか、どうやったら身体に負担をかけずに作業できるかなど、自然と考えるようになりましたね。

「清掃の仕事が気になるけど不安…」という方へ

――清掃の仕事に興味があるけど、「きつそうで迷っている…」という方へ、メッセージをいただけますか?

「客室清掃って大変じゃないよ!」とは、きっぱり言えません(笑)。でも、ちょっとでもやってみたいなと思ったなら、まずは一歩踏み出してみてほしいです。

――やってみて初めて分かることってたくさんありますよね。

はい。私は、どんな仕事にも大変な部分はあると思っています。客室清掃の仕事でも「大変だな」と思う瞬間はあります。

でも今では、この仕事の大変なことも、達成感ややりがいとして感じることができています。

「大変」「きつい」と感じる瞬間について、とてもリアルなお話を伺うことができました。

そんな中で「続けられているのは、この仕事が自分に合っているから」と話してくれたA.T.さん。

後編では、A.T.さんが語ってくれた、この仕事の面白さや嬉しかった瞬間、大変なだけじゃない客室清掃の魅力についてお届けします。お楽しみに!