厳しい寒さが続く冬本番。路面の凍結や積雪による転倒事故が増える時期でもあります。
特に朝晩は路面が凍結しやすく、普段は安全な道でも注意が必要です。「いつもの道だから大丈夫」と思っていても、ちょっとした油断が思わぬ事故につながることも。
最近では、高齢者の方だけでなく、働き盛りの世代でも転倒事故が増加しているといわれています。
そこで今回は、誰もが実践できる転倒予防のポイントと、外出時の注意点について紹介します。ぜひ参考にしてくださいね!
誰にでも起こりうる転倒のリスク|労働災害で一番多いのは転倒事故
転倒事故は誰にでも起こりうる、とても身近な事故です。
日常生活ではもちろんですが、厚生労働省によると、実は仕事中の事故(労働災害)の中で最も多い事故が「転倒」というデータがあるんです。
安全管理が徹底されているはずの職場でも、労働災害の全体の24%を転倒事故が占めています。
特に冬場は、通勤時や外回り中の転倒事故が急増します。「自分は転ばない」と過信せず、どの世代の方であっても転倒予防を心がけていくことが大切です。
参考:厚生労働省「誰にでも起こり得ます。 職場から転倒災害をなくしましょう!STOP!転倒災害」
◆とくにシニア世代の方は注意が必要
年齢を重ねるにつれて、筋力や平衡感覚が徐々に低下していきます。特に60歳を過ぎると、若い世代に比べて転倒のリスクが倍になるといわれています。
また、転倒による骨折は寝たきりの原因にもなりかねません。シニア世代の方は、より一層の注意が必要です。
冬の転倒対策!外出時に注意する4つのポイント
気温が氷点下になる冬場は、転倒事故の発生率が夏場の約2倍にまで跳ね上がります。
ここからは、冬の転倒対策として外出時に注意する4つのポイントについて紹介します。
1.天気予報・路面状況の確認
外出前には必ず天気予報をチェックしましょう。特に気を付けたいのは以下のような条件の時です。
・気温が0度前後を行き来する日、または氷点下
・前日に雨や雪が降った翌日
・朝晩の気温が大きく変化する日
2.適切な靴選び(滑り止め付きの靴など)
冬に転倒してしまう方の特徴として、冬用の靴を履いていなかったというケースもあります。
冬に外出する際は、必ず冬用の靴を選びましょう。靴を選ぶときは、以下のポイントをチェックしてみてください。
・靴底のギザギザの溝が深く、グリップ力がある
・滑り止め加工がされている
・靴底が柔らかいゴムの素材でできており、地面に密着しやすい
また、靴は消耗品ですので、靴底がすり減ってきていないかも定期的に確認することを忘れないようにしましょう!
3.暖かい服装をすることは実は大事!
暖かい服装をすることは転倒予防にも重要なんです。なぜなら、寒さで体が縮むことで以下のような影響があるからです。
・自然と歩幅が小さくなる
・体が硬くなって反応が遅くなる
・バランスを崩しやすくなる
特に足首から下は冷えやすいので、厚手の靴下の着用もおすすめです。
4.時間に余裕を持った行動をこころがける
急いでいると周囲への注意が疎かになりがちです。冬場は普段より10分程度余裕を持って行動することを心がけましょう。
時間に余裕があれば、路面状況を確認しながらゆっくり歩くことができます。
転倒予防になる安全な歩き方のポイント
転倒を防ぐためには、歩き方も重要です。以下のポイントを意識して歩きましょう。
・歩幅は普段の70%程度に小さくする
・膝を軽く曲げ、重心を低めに保つ
・かかとから着地するようにする
・足の裏全体でしっかり地面を捉える
手は絶対にポケットに入れないようにしましょう。転びそうになった時の反射的な動作が遅れてしまいます。また、スマートフォンを見ながらの歩行も厳禁です。
凍結・転倒しやすい場所を押さえておこう!
凍結しやすく、特に注意が必要な場所を事前に知っておくことも大切です。以下のような場所は転倒しやすいといわれている場所なので、チェックしておきましょう。
・日陰になっている道路や北向きの道
・建物の軒下や排水溝の周辺
・階段や坂道
・コンビニや店舗の入り口
・駐車場の白線部分(塗料が滑りやすい)
まとめ
冬の転倒事故は、誰にでも起こりうるものです。しかし、適切な準備と注意を払うことで、多くの事故は防ぐことができます。
この冬は、今回ご紹介した対策を意識して安全に過ごしていきましょう。