冬のヒートショックに注意!起こりやすい原因と知っておきたい予防対策

  • #健康

冬になると、「ヒートショック」という言葉を耳にする機会が増えます。

入浴中の事故などがニュースで取り上げられることもあり、「なんとなく怖い」「自分や家族は大丈夫かな」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、ヒートショックについての一般的な知識や、

冬の暮らしの中で気をつけたいポイントをわかりやすくまとめて紹介します。

※ただし、本記事は医療機関や医師による監修を受けたものではありません。

公的機関などが発信している情報を参考にしながら、一般的な教養としてまとめた内容となります。

体調や持病について不安がある場合は、必ず医師などの専門家にご相談ください。

そもそもヒートショックとは?

ヒートショックとは、急激な温度変化によって血圧が急上昇・急降下し、心臓や血管に大きな負担がかかる状態のことを指します。

たとえば、

・暖かい部屋から急に寒い場所(浴室・トイレ・脱衣場など)へ移動する

・寒い脱衣所で服を脱ぎ、急に熱いお風呂に入る

・熱いお風呂から急に立ち上がる

といった場面で、体が急な変化についていけず、ヒートショックが起きる可能性があるんです。

10℃前後の温度差があると、体に負担がかかりやすいとされており、

とくに冬場は注意が必要だといわれています。

◆ヒートショックによる症状

ヒートショックによる具体的な症状は、以下のようなものがあります。

軽度 立ちくらみ、動悸が激しくなる、めまい、軽い吐き気や頭痛、視界がぼやけるなど
重度 呼吸困難、失神、胸や背中の激しい痛み、激しい吐き気や頭痛、ろれつが回らないなど

 

軽度の場合は少し休んでいれば回復することも多いですが、油断は禁物です。

重い症状があらわれる場合、心筋梗塞や脳梗塞などにつながる可能性があるともいわれています。

気になる症状が続く場合や、急な体調変化が見られる場合は、早めに医療機関に相談することが大切です。

◆ヒートショックが起こりやすい場所

ヒートショックは浴室で起こるイメージがあると思いますが、

実は家の中のさまざまな場所で起こりやすいといわれています。

【 起こりやすい場所の例】

 ・浴室

 ・脱衣所

 ・トイレ

 ・廊下や玄関

これらに共通するのは、部屋ごとの温度差が大きくなりやすいことです。

冬は暖房の効いたリビングと、暖房のない場所との温度差が大きくなりがちです。

その状態で移動したり、服を脱いだり、熱いお湯に入ったりすると、体に負担がかかりやすくなります。

とくに脱衣所やトイレは「短時間だから大丈夫」と油断しやすい場所。

実は注意が必要なポイントでもあります。

ヒートショックになりやすい人の特徴

ヒートショックは誰にでも起こる可能性がありますが、

一般的に「なりやすい人」といわれる特徴を、【身体の特徴】と【生活習慣の特徴】と【環境】に分けて紹介します。

【ヒートショックになりやすい人|身体の特徴】

・高齢の方(65歳以上)

・高血圧や糖尿病などの持病がある方

・普段あまり体を動かさない生活が続いている方

・冬場に水分をとる量が少ない方

・便秘気味の方(いきむ時に血圧が急上昇しやすくなる)

【ヒートショックになりやすい人|生活習慣の特徴】

・42℃以上の熱いお風呂に入るのが好き

・長湯することが多い

・一番最初にお風呂に入ることが多い(浴室が暖まっていない可能性が高い)

・お酒を飲んだ後にお風呂に入る

・食後すぐにお風呂に入る

・早朝や深夜にお風呂に入る

【ヒートショックになりやすい人|環境の特徴】

・お風呂や脱衣場、トイレなどに暖房がなく寒い

「当てはまるから必ず起こる」というわけではありませんが、

自分や家族が該当しそうな場合は、少し意識しておくことが大切です。

ヒートショックを予防するために意識したい7つの対策

ヒートショックは、日々の暮らしの中で少し意識を変えるだけでも予防につながるといわれています。

ここでは、一般的に紹介されている対策の中から、取り入れやすいものをご紹介します。

対策①脱衣場や浴室を暖める

脱衣場や浴室が冷えきっていると、体への負担が大きくなります。

暖房がない場合は、ストーブや小型ヒーターなどで入浴前に暖め、部屋の温度差をなくすことが大切です。

対策②熱すぎるお湯(42℃以上)を避ける

冬場は熱湯に入りたくなるかもしれません。

しかし、42℃以上の熱いお湯は心臓に負担がかかりやすいといわれています。

38〜41℃のぬるめの温度に設定し、さらに手足にかけ湯をしてからゆっくり入るようにしましょう。

対策③長湯は避ける|湯船に入る時間は10分以内が目安

長湯もやりすぎると心臓に負担がかかりますし、体力も消耗します。

血圧の変動も起こしやすくなるので、湯船に入るのは10分以内を意識しましょう。

対策④入浴前後に水分をとる

入浴中は汗をかくため、脱水症状になる危険性があります。

脱水症状は、血圧を不安定にさせます。

入浴前後にコップ一杯の水をとるだけでも、体への負担を減らす助けになります。

対策⑤食後は1時間以上空ける

食後は、消化のために胃や腸に血液が集まりやすい状態です。

そのタイミングで入浴すると、体の中で血流の変化がさらに大きくなり、

体に負担がかかりやすくなってしまいます。

そのため、食後すぐの入浴は避け、1時間以上空けてから入るのが安心です。

対策⑥飲酒するならお風呂の後に

アルコールには血管を広げる作用があり、入浴と重なることで血圧が変動しやすくなります。

「少しだけだから大丈夫」と思ってしまいがちですが、

飲酒する場合は、先にお風呂を済ませてからにすると、体への負担を減らしやすくなります。

対策⑦体調がすぐれないときは無理をしない

疲れている日や、少しでも体調に不安がある日は、

シャワーだけにするなど、無理をしない判断も大切です。

 

参考/出典:富山県ホームページ「ヒートショックを予防しましょう!」

参考/出典:政府広報オンライン「交通事故死の約3倍?!冬の入浴中の事故に要注意!」

まとめ|ヒートショックは「知っておくこと」が第一歩

ヒートショックは、冬の生活の中で誰にでも起こり得る身近なリスクです。

ただし、正しく知り、少し意識を変えるだけで、予防につなげることができるともいわれています。

・冬は家の中でも温度差が大きいこと

・入浴や移動の前後で体に負担がかかりやすいこと

・無理をしないことが大切なこと

こうしたポイントを覚えておくだけでも、安心して冬を過ごしやすくなります。

過度に怖がる必要はありませんが、

「知っておくこと」「意識しておくこと」が、冬の安全につながります。

ご自身やご家族の健康を守るために、ぜひ参考にしてみてくださいね。