汚れに合った洗剤の使い分け|中性・アルカリ性・酸性

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家庭の掃除に使う洗剤には、大きく分けて中性・アルカリ性・酸性の3つの種類があることはご存じかと思います。

しかし、それぞれどんな汚れに適しているのかはイマイチ分かっていない…という方は多いのではないでしょうか?

「洗剤を使ってるんだけれど、全然落ちない…」という場合は、洗剤の選び方が間違っている可能性があるかもしれません…!

そこで今回は、汚れに合った洗剤の使い分けを、中性・アルカリ性・酸性の3つの種類ごとに紹介していきます。

この知識があればお掃除の効率がアップすることはもちろん、お掃除が面白く感じるきっかけにもなるかもしれません。ぜひ参考にしてみてくださいね!

洗剤の種類|中性・アルカリ性・酸性の3つ

洗剤は、液中の水素イオン濃度をあらわすPH(ペーハー)値の数値によって、「中性」「アルカリ性」「酸性」の3つの種類に分けられます。

PH6〜8あたりが中性、それより大きい数値だとアルカリ性、小さい数値だと酸性となります。

数値が高ければ高いほどアルカリ性が強く、低ければ低いほど酸性が強くなり、それに伴って洗浄力も強くなります。

洗浄力が強くなるということは素材や肌に与える影響も大きくなるということなので、アルカリ性や酸性が強くなるほど取り扱いに注意が必要です。

汚れを落とす仕組み

洗剤の使い分けを知るためには、洗剤が汚れを落とす仕組みについても知ることが大切です。洗剤が汚れを落とす2つの仕組みを紹介します。

①汚れは洗剤で「中和」して落とすがキホン

洗剤は「中和」という反応を利用して汚れを落とすということをぜひ覚えておいてください。

そうすると「アルカリ性の汚れ→酸性洗剤」「酸性の汚れ→アルカリ性」の洗剤が効果的ということです!

アルカリ性の汚れや酸性の汚れについては後述します。

②中性洗剤は「界面活性剤」で落とす

「でも中性洗剤で中和できないよね…?」と思った方。

全くその通りで、中性洗剤の汚れを落とす仕組みは「中和」ではなく、多くの洗剤に入っている「界面活性剤(かいめんかっせいざい)」という成分の働きによるものです。

「界面活性剤」は汚れを浮き上がらせる効果があり、そのおかげで軽い汚れなら酸性の汚れもアルカリ性の汚れも中性洗剤で対応できます。

また、中性洗剤は素材やお肌への負担が少なく安全性も高いことから、一般的な家庭用の洗剤は中性で作られていることが多いんです。

ただし、洗浄力はそれほど高くないので、頑固な汚れを取りたいときはアルカリ洗剤・酸性洗剤を使った方がいい場合もあるということです。

汚れごとの洗剤の使い分け

ここからは、中性・アルカリ性・酸性ごとの洗剤の特徴と、汚れごとの使い分けについて解説します。

①中性洗剤

毎日の軽い汚れを取る日常のお掃除に使うなら、中性洗剤がぴったりです。

食器、シンク、お風呂、トイレ、ドアや机に付いた皮脂汚れなども、日常的な汚れであれば中性洗剤で十分対応できます。

素材を傷める可能性も低い洗剤なので、どの洗剤を使えばいいか分からないときは、まず中性洗剤で試してみることをオススメします。

②アルカリ性・弱アルカリ性洗剤

アルカリ性洗剤は以下のような「酸性の汚れ」に適しています。

【酸性の汚れ】

・ガスコンロやグリル、換気扇などのキッチン周りのしつこい油汚れ

・衣類の汗や皮脂汚れ

・お風呂の湯アカ

③酸性洗・弱酸性洗剤

酸性の洗剤は以下のような「アルカリ性の汚れ」に適しています。

【アルカリ性の汚れ】

・トイレの黄ばみ、尿石汚れ、アンモニア臭

・電気ポット内などについた白いカルキ

・蛇口などについたウロコ状の水アカ

洗剤を使うときの注意点

洗剤を使うときは、下記のことに注意してください。

・洗浄力が弱いものから試しましょう

・手袋を着けましょう(酸性、アルカリ性洗剤は特に)

・建物の素材との相性を確認しましょう

洗浄力が強いと汚れは確かに落ちますが、その分素材やお肌に大きな負担をかけてしまうリスクもあります。

素材との相性が悪いと、変色してしまったり、表面のコーティングが剥がれてしまったりすることがあります。

洗剤を使うならまずは中性から試し、そして酸性・アルカリ性を使うにしても、まずは弱いものから試してみてください。

汚れに合った洗剤を選ぶことも大事ですが、それ以上に洗剤の取り扱いや使う場所には注意しましょう。

まとめ|汚れに合った洗剤を選んでお掃除上級者に!

汚れに合った洗剤を選ぶには、まずは汚れを落とす仕組みである「中和」や「界面活性剤」について知っておくことが大切。

そして中性・アルカリ性・酸性のそれぞれの特性に合わせ、取り扱いにも注意した上で適切な洗剤を選んでいきましょう!

知識が深まってくれば、「トイレ用」「床用」「お風呂用」「キッチン用」など場所ごとに何種類も洗剤を揃えなくても、数種類の洗剤だけで対応できる「お掃除上級者」になることもできます!

ぜひ、今回の内容を参考にしてみてくださいね!