扶養から外れるメリットは?扶養から外れても損しない金額も解説

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パートで働く方達にとって、扶養内で働くかどうかは大事なポイントです。

「扶養から外れると損する」「手取りが減ってしまう」

上記のようなことから、扶養の範囲に収まるように仕事を調整している方もたくさんいらっしゃいます。

確かに、扶養から外れると税金や社会保険料を自分で払うことになるので、年収によっては手取りが減ってしまう場合もあります。

しかし、扶養から外れることで得られるメリットもあります。そして、人によっては扶養から外れて働いた方がいい場合もあるんです!

本記事では、扶養に入るメリットをおさらいしつつ、扶養から外れるメリットを解説していきます。

扶養から外れても損しない年収についても触れていきますので、ぜひ参考にしてください!

扶養から外れる条件「年収の壁」のおさらい

まず、扶養から外れてしまう条件である「年収の壁」についておさらいしていきましょう。

扶養内で働く場合、収入が一定額を超えると扶養から外れ、税金や社会保険料の負担が発生します。この「年収の壁」には主に次のような段階があります。

  • ・103万円の壁:所得税が発生する年収のライン。所得税を自分で納める必要があります。
  • ・106万円の壁:勤務時間が週20時間以上、月額8万8千円以上(年収が106万円以上)、従業員数が51人以上の企業に勤めている場合、社会保険への加入が義務づけられます。
  • ・130万円の壁:すべての人が扶養から外れ、自分で社会保険に加入する必要があります。
  • ・150万円の壁:扶養者(夫など)の「配偶者特別控除」が段階的に少なくなります。
  • ・201万円の壁:扶養者(夫など)の「配偶者特別控除」が受けられなくなります。

とくに扶養内でいることのメリットが大きい「社会保険の扶養」に関わるのは「106万の壁」「130万の壁」です。

扶養に入るメリット

扶養に入る最大のメリットは、税金や社会保険料の負担が軽減されることです。具体的には以下のような点が挙げられます。

  • 1.所得税や住民税がかからない

扶養内の収入であれば、税金の負担を大幅に抑えることができます。自分で負担する税金はもちろん、扶養者が払う税金も少なくなります。

  • 2.社会保険料の負担がない

扶養内であれば、扶養者が社会保険に入っていれば、自分で社会保険料(勤務先の社会保険・国民年金・国民健康保険)を負担する必要がありません。

  • 3.家族手当(扶養手当)が受けられる

扶養者が勤務している会社によっては、扶養している家族がいることで「家族手当(扶養手当)」を受け取れる場合があります。

これにより、働く時間をセーブしながらも家計の助けになるため、多くの人が扶養内での働き方を選択しています。

「扶養から外れると損」と言われる理由|扶養を外れるデメリット

「扶養から外れると損する」とよく言われますが、その理由は、以下のような扶養を外れるデメリットがあるからです。

  • 1.税金の負担が増える

扶養内では所得税や住民税がかからないのに対し、扶養を外れると自分で税金を納める必要が出てきます。

  • 2.社会保険料を自分で負担する

扶養から外れると、健康保険や年金を自分で支払う必要があり、社会保険料の負担が増えます。特に、勤務先で社会保険に加入できない場合や、個人事業主である場合は、国民健康保険と国民年金に加入することになり、負担が増大します。

  • 3.家族手当がもらえなくなる

扶養者(夫など)の勤務先で家族手当を受けていた場合、扶養から外れるとその手当が支給されなくなり、収入が減少する可能性があります。

このような理由から、扶養を外れることでのデメリットが懸念されがちですが、長い目でみると必ずしも「損」ではありません。

以下でその理由を解説していきます。

扶養から外れるメリット|扶養から外れることは悪いことじゃない

扶養から外れると一見「損をする」と感じられるかもしれませんが、実は長期的に見て多くのメリットがあります。

ここからは、扶養から外れるメリットを紹介します。

①収入が増える

扶養内での収入制限がなくなるため、フルタイムで働く選択肢もできますし、パートでもより多くの収入を得ることができます。収入が大幅に増えれば、税負担などを差し引いても、扶養内で働くよりも手取りを増やすことができます。

②将来もらえる年金額が増える

勤務先の社会保険に加入する場合、厚生年金にも加入することになり、それによって将来もらえる年金額が増えます。

(扶養の範囲で働く場合は国民年金のみとなり、厚生年金に加入した場合と比べて年金額は少なくなります。)

③傷病手当・失業手当などの保障が充実する

勤務先の社会保険に加入すると、さまざまな保障を受けることができます。例えば、病気やケガで働けなくなった場合に支給される傷病手当金や、失業時に支給される失業手当など、扶養内では得られない保障を受けられる点は大きなメリットです。

④自由な働き方ができ、キャリアアップも目指せる!

扶養内で働いていると、収入を制限するために働く時間を調整しなければならず、自分のキャリアを伸ばすチャンスを逃してしまうことがあります。しかし、扶養から外れることで、正社員を目指したり、興味がある仕事を掛け持ちしたりするなど、キャリアの選択肢が広がります。

 

上記のメリットから、もっと働いて収入を増やしたい方、社会保険や年金などの補償を充実させたい方、キャリアアップを目指したい方は、扶養から外れた方が得られる恩恵が大きい可能性があります!

いくら稼げば扶養から外れても損しない?

扶養から外れて働く場合は、「損をしない」収入ラインを把握することが重要です。これは個人が何を優先するかで変わってきます。

ここでは、「自分の手取り額を増やす」という視点で損しない収入ラインについて紹介します。

勤務先の社会保険に加入するか、自分で国民年金・国民健康保険に加入するのかによっても変わってくるので注意しましょう。

最低ラインは年収150万〜164万円以上が目安

【勤務先の社会保険に加入する場合】

勤務先の社会保険に加入する場合、少なくとも150万円以上を稼ぐことが一つの目安です。だいたい154万程度の収入になると、手取りが扶養内ギリギリで働いていたときと同じくらいになります。

また、手取りは同じではあるものの、傷病手当などの保証が受けられたり、将来受け取る年金額が増えたり、社会保険加入により保証が手厚くなります。

【国民年金・国民健康保険に加入する場合】

自分で国民年金・国民健康保険に加入する場合は保険料の自己負担額は大きくなります。そのため、164万円以上稼ぐことが手取り額を増やしていくための一つの目安です。

また、この場合は保証が手厚くなったり、将来受け取る年金が増えるわけではないので注意が必要です。

上記は最低ラインなので、もっと手取り額を増やしたいという方は、年収170万、180万と収入が上がるにつれて手取り額は増えていきます。

ただし、収入が増えることで扶養者が負担する税金が増える、家族手当がもらえなくなるなど、他の要素も関係してきます。

扶養から外れて働く場合は、自分や家庭の状況や将来の方向性を整理し、ご家族と話し合った上で決めるといいでしょう。

まとめ

扶養から外れることは、一見すると税金や保険料の負担が増えるため「損をする」と感じるかもしれません。

しかし、収入の増加や将来の年金額の向上、保証の充実など、長期的に見れば多くのメリットがあり、人によっては扶養を外れて働いた方がいい場合もあります。

最終的に扶養から外れるかどうかは、メリットとデメリットを天秤にかけ、自分や家族にとって最適な選択をすることが大切です。

本記事が、扶養を外れて働きたいと思っている方のお役に立てれば幸いです。