毎日の洗濯に欠かせない、普段なにげなく使っている洗濯洗剤。
何となくのイメージで「洗剤はたくさん入れれば入れるほど汚れが落ちる」と思っている方はいらっしゃるかもしれません。
でもそれって本当でしょうか……?
今回は、洗濯洗剤は多ければ多いほど汚れは落ちるのかについて解説します。洗剤の入れすぎによるデメリットにも触れていきますので、ぜひ参考にしてくださいね!
「洗濯洗剤は多ければ多いほど汚れが落ちる」は間違い
結論からいうと、「洗濯洗剤は多ければ多いほど汚れが落ちる」は間違いです。
たしかに、市販されている洗剤には「適量」が定められており、その適量に達するまでは洗剤の量が多いほど洗浄力が高くなります。
しかし、その適量を越えてしまえば、それ以上たくさん入れても「洗浄力はほぼ一定で変わらない」という性質があります。
たくさん汚れたからといって洗剤量を2倍・3倍に増やしても、洗浄力がその分2倍・3倍になることはありません。
洗濯洗剤の入れすぎによるデメリット5つ
洗剤はある一定の量を越えると、それ以上たくさん入れても洗浄力はほとんど変わりません。むしろ、洗剤の入れすぎによるデメリットの方が多くなってしまいます。
ここでは、洗剤を入れすぎたときに起こりうるデメリットを5つご紹介します。
①泡が立ちすぎて「すすぎ」に時間がかかる
洗剤をたくさん入れることによって泡がたくさん出ますが、その分泡を水で流す「すすぎ」の作業に時間がかかってしまいます。
すすぎに時間がかかるということは水もたくさん使うことになるので、非効率になってしまう、節水できないという2つの点でデメリットがあります。
②洗剤の成分が残って衣類の傷みや黄ばみの原因になる
洗剤を入れすぎると、すすぎが足りず、洗剤の成分が残ってしまう場合があります。
その残った洗剤をエサにして、洗濯機内で雑菌やカビが繁殖しやすくなってしまうこともあるんです。
とくに洗濯洗剤は、汚れをキレイに落とすための「漂白蛍光剤」という成分が入っているものがあります。
その成分が残ると衣類の繊維を痛めたり、黄ばみができたり、色落ちする原因にもなってしまうのです。
③洗剤がすぐ無くなるのでお金がかかる
洗剤を必要以上に入れると、当然無くなるのも早くなります。
その分洗剤を買う頻度も高くなるので、経済的にもデメリットがあります。
④肌トラブルにつながることもある
現在は肌に優しい自然素材を使った洗濯洗剤もありますが、一般的に家庭で使う洗剤には、肌に刺激となる化学物質が使われていることがほとんどです。
そのような化学物質は当然、人体やお肌にいいものではありません。
洗剤を入れすぎたことで服やタオルに洗剤の成分が残ってしまった場合、アレルギー体質の方や敏感肌の方は、肌トラブルに繋がってしまう場合もあります。
⑤環境に優しくない
これまでお伝えした通り、洗剤には化学物質が多く含まれています。
洗剤を入れすぎると、その分多くの生活排水を出すことになり、環境に大きな負荷をかけてしまう場合があります。
私たちが毎日の生活で出した生活排水は、下水処理場で微生物の力を使って分解されてキレイになります。
しかし、必要以上に多くの洗剤を流してしまうと、微生物たちの分解能力を弱らせてしまい、処理が追いつかないまま川や海に流れてしまうこともあるんです。
そしてそれが水質汚染に繋がり、生態系や環境に悪影響を与えてしまいます。
まとめ|洗剤は適量を守って正しく使おう!
洗剤は、多ければ多いほど汚れが取れるものではなく、ある一定の量を越えると洗浄力は変わらなくなります。
そのため、市販の洗濯洗剤の「適量」は、なるべく少ない量で洗浄力を最大に発揮できる量に設定されています。
また、今回は分かりやすく洗濯洗剤を取りあげましたが、水で薄めて使うタイプの他の洗剤にも同じことがいえます。
洗剤をムダなく使用し、環境にも配慮するなら、決められた適量を守って正しく使うことが一番大事。
ぜひ今日からでも意識してみてくださいね!